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観光バスに乗用車が飛んで来て衝突した事故とその報道について

2017年6月10日に愛知県新城市東名高速道路上で発生した交通事故について、昨日今日とテレビでもネットでも盛んに報道されています。
観光バスがドライブレコーダーを使っていたこと、バスを運行するバス会社がそれを報道機関向けに提供したことから繰り返しそのセンセーショナルな衝突の瞬間の動画が流される事になりました。

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不幸中の幸いで、バスの運転手と乗客には死者がなく、バス運転手の咄嗟の判断を評価する論調も見受けられます。しかし、乗用車の運転手は死亡していて、それもおそらくは衝突の瞬間に即死、つまりテレビやネットを通じて私たちが見ている衝突の瞬間は乗用車の運転手が絶命する瞬間でもあります。

本来厳粛に扱われるべき人間の死について、それが視聴率を集めるとか大きな話題になるという商業的な理由によってこのように弄ばれるべきではありません。

私自身には特別な権力も関係もありませんが、この動画を公開しているマスコミ各社と、そしてマスコミに動画を提供したバスの運行会社にはぜひ反省してもらいたいと思います。もし自分の肉親がその乗用車の運転手だった場合、その動画をテレビやネットで公開したいと思うでしょうか。それが社会正義でしょうか。今後の事故防止の一助になるでしょうか。

私たちは日々の刺激に慣れ過ぎて、本来は隠されるべきもの、晒されるべきでないものまで娯楽として消費する癖がついていないでしょうか。マスコミは宿命的な業だと諦観せずに、倫理観を失わないような報道を心がけてほしいと思います。

※NHKはドライブレコーダーの映像を使わずに再現CGを制作して使用したようです。いろいろと問題もありますが、この事故の報道においては他社よりもまともな対応であると考えます。