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「花キューピット」を調べていたら「ウィリアムブグロー」にたどり着く

今日は母の日という事で、近所のお花屋さんは朝から忙しそうでした。Twitterを見ていると知り合いが「花キューピットで母にカーネーションを贈ります」と書いてあって、あれ?と思いました。確かにキューピットという表記はよく目にするけど正しくはキューピッドじゃないのかなと。全国的な大きなサービス名だからキューピッドの方が正しいんじゃないかと思って調べたら、「花キューピット」が正式名称でした。
そもそも「キューピッド」が正しくて「キューピット」が間違いというのもそこまで厳密なものではなくて、英語圏では「Cupid」と書いて発音も[kjúːpɪd]なのでどちらかと言えばキューピッドと書く方が近いというくらいでしょうか。キューピットの方が日本語として発音しやすいから訛って定着したんでしょうね。さらに遡ればキューピッドはギリシャ神話の神様で、愛の神様であるエロスと同じだとも言われます。神様の名前としてはoが付いて「Cupido」、読み方は「クピードー」や「クピド」でだんだんとキューピットからは遠くなってきました。それでも私たちがイメージするキューピッドとほぼ同じ姿で描かれてきました。

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上の絵を描いたウィリアムブグローは19世紀のフランスで活躍した画家で、オルセー美術館にある「ビーナスの誕生」などが有名です。当時の価値基準によってか、多くの宗教画を残し、キューピッドもたくさん描いています。ビーナスの後ろに集団で描かれてもいますし、人間の肖像画のようなリアルな構図で描かれてもいます。ブグローの絵画はアカデミズム美術の代表と言われ、写実的ではあるものの、写実主義とは逆に具体的なモチーフから普遍的なテーマを描いていると言われます。実はブグローは生前の華々しい評価とは裏腹に、死後およそ100年間は全く評価されなかったそうです。アカデミズム美術はアバンギャルド美術に批判されその価値を貶められていたと考えれます。しかしアヴァンギャルド(前衛美術)自体が権威性を帯びて批判され始めるとブグローらの評価も再び上がってきました。
私は写実主義画家のギュスターブクールベが好きですが、改めてアカデミズム画家ウィリアムブグローの絵を見てみると作者が意図したような普遍性に惹かれる気持ちがありました。いつか大規模なブグロー展が日本で開かれたら見に行きたいですね。どうでもいですが、池袋でブグロー展が開かれたら面白いと思ったんですが、大きな美術館がないから実現はしなそうですね。