無料でネットショップが始められるBASEとSTORESを比べました。

数年前まではネットショップを開設するには相当の資金が必要でした。特に楽天市場などのネットモールに出店しようとすると、何十万から100万円近い初期投資が必要になる事もあったようです。しかし今ではヤフーショッピングが無料化したり、ずいぶんとネットショップ運営の敷居も下がってきました。特にminneのようなハンドメイドマーケットは、どんどん市場が広がっているようです。

私も仕事でネットショップを開設しなければいけなくなったので、一番手軽で費用のかからないサービスを探してみました。"オシャレなネットショップを最短2分で無料作成"という「STORES.jp」と、"ネットショップ作成が30秒で。しかも無料。"という触れ込みの「BASE(ベイス)」がバナー広告などで目に付いたので登録してみました。

どちらのサービスも、本当に簡単にショップを公開することができました。あらかじめメールアドレスと商品写真を用意しておけば、数分で形はできるでしょう。しかし、細かく調べると両サービスでいくつか違いがあったのでまとめてみたいと思います。

１．有料プランのあるSTORSと選択肢のないBASE

まず大きな違いはここですが、どちらのサービスも無料でショップを作って運営する事ができます。しかしSTORESには月額980円のプレミアムプランがあり、無料プランではかなりの機能が制限されています。たとえば販売できる商品の種類は５つまでに制限されています。無制限のBASEと比べると大きな違いです。また有料プランでは自分の口座に直接売り上げを入金指定できるSTORSに対し、BASEでは必ずBASEが預かり、それを払い込んでもらう形式になります。

２．各種手数料の違い

無料で使えるサービスがどこで利益を上げているかといえば、この手数料の部分です。まずはSTORESの無料プランとBASEを比較してみます。

例えば4月15日に5,000円の商品がクレジットカードで売れたとします。STORESではまず決済手数料が５％かかるので、売り上げから250円引かれます。代金を受け取れるのは、月末締めの翌月払いなので5月31日で、さらに振込手数料が250円かかって振り込まれる額は4,500円になります。

BASEを使って、同じく4月15日に5,000円の商品がクレジットカードで売れたとします。代金の3.6％+40円が決済手数料で、この場合220円です。代金を受け取るには振替手数料がさらに250円必要で、申請日から10営業日で振り込まれます。（月に一度まで）そしてここがポイントなのですが、申請額が2万円以下の場合は、別途事務手数料が500円余計にかかります。なので、5,000円の売り上げを受け取ろうとした場合は、5,000-220-250-500＝4,030円になってしまいます。

両サービスを比べた場合に一番違うのは2万円の壁があるかないかでしょう。売り上げが容易に2万円を超えそうな場合はBASEの方が商品点数などで運営が有利でしょう。しかし、試験的に小さく始めようとする場合は、なかなか2万円まで届かない事も考えられるのでSTORESを利用する方が手堅いかもしれません。

３．送料設定の違い

ネットショップはつまり通信販売ですから、送料についても考えなければいけません。特に物理的に大きいものになると送料の差も大きいので、間違っても損をしないような適切な送料をお客さんに明示する必要があります。BASEでもSTORESでも、細かく送料の設定は可能なのですが、BASEが地方ごとや都道府県ごと、全国一律といろいろな指定が可能なのに対して、STORESでは都道府県ごとか全国一律にしか指定できないので、その設定がかなり面倒に思いました。商品点数が多かったり、サイズなど区分が多くなる場合はBASEを使った方が楽だと思います。

以上の比較から、最初はSTORESでショップを始めてみて、売り上げが軌道に乗ったらBASEに移行するのが賢明だろうというのが私の結論です。BASEもSTORESも、いわゆるモールではなく、自分のwebサイトなどから送客するような発想なので、ある時点でサービスを切り替えても特に不都合はないのではと思います。

自分の扱う商品がネットで売れるようになるとなかなか楽しいので、身の回りに売るべきものがある人は、ぜひ挑戦してみて欲しいと思います。