貧しくても幸福に生きる日々

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庭仕事をすると心が落ち着く理由

ジョジョの奇妙な冒険」シリーズで有名な漫画家の荒木飛呂彦さんが、コミックス57巻のカバー裏に土いじりをすると落ち着くという話を書いていました。自分に似た人というテーマで、ファッションデザイナークリスチャンディオールを引き合いに出されていました。

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私も今日久しぶりに草を引いたりしたのですが、無心になってとても気持ちのいい時間でした。庭には国によって大きな考え方の違いがあって、たとえばフランス式庭園では植え込みを幾何学的に配置するような特徴がありますが、日本庭園では全体がアシンメトリーであり、自然をできるだけ多く取り入れる特徴があります。しかし共通するのは、植物の成長に道筋をつけて、自分たちの美意識を表現している部分でしょう。

庭園や園芸は、人間の技術だけでは決して完成しません。植物と太陽と水と、自然の力に人間の作為が加わって初めて成立します。マンションのベランダで花や野菜を育てるのも、お屋敷の日本庭園でも、イングリッシュガーデンでも基本は同じ事です。植物を育てる作業に関わると、人間の限界を知る事ができます。天気や気温は完全にコントロールする事は不可能なので、私たちにできるのはその結果を見て調整を加えるだけです。また、土に触れ植物に触れていると、人間もやはり自然の一部だと思いださせてくれます。植物が無心に成長して花を咲かせ実を付けるように、私たちも無心に生きてやがて死んでいくのが自然な姿なのかもしれません。

もちろん、私たちの日常生活では仕事をしたり社会と関わったり、不自然な苦労が多くありますが、時々は一個の生物である事を思い出す時間が、澄んだ気持ちにしてくれます。よく「忙しいという字は心を亡くすと書く」と言われますが、人間らしい心を忘れないためには、自然と触れ合う時間を意識的に持つといいのではないでしょうか。都会に暮らしていると難しい場合もありますが、たとえば公園の芝生に寝転がるとか、窓際やベランダで好きな草花を育てるだけでも、きっと効果はあると思います。